伊藤忠商事は傘下の食品卸を再編する。三菱商事グループが菱食を軸にメーカーと小売りを結ぶ強力な食品流通網を構築、食品の分野で川上から川下までに大きな影響力を持っているのに対抗する。伊藤忠の中核食品卸である日本アクセスを軸にファミリーコーポレーション、伊藤忠フレッシュ、ユニバーサルフードの事業を再編する。
食品流通では比較的、地味な存在だが卸が重要な役割を担っている。メーカーから商品を調達し、小売店のニーズに対応して品ぞろえする。食品は重く、量も多いため、コンビニエンスストアの細かい要求に対応するには全国的な配送網、保冷施設などの整備も必要です。三菱商事は早くから菱食を軸に食品卸を再編、さらにコンビニのローソンを傘下に収め、食品の強力な流通網を構築してきました。
合併を重ね日本アクセスも業界有力企業に育っていますが、さらに、傘下企業を再編し、より強固な流通ネットワークを構築するのが目的です。伊藤忠はファミリーマートを傘下に収めており、食品卸の強化で三菱に対抗する明確な意思を示しています。