◆◇◆サマリー◇◆◇
・ギリシャ離脱前提の展開に
・マーケット=欧州市場は急落、米市場は住宅市場の好調で下げ止まり
・今日の動き=中国、EUで景況感指数を発表
■今日の予定
・総合資源エネルギー調査会基本問題委員会
・気象庁が3ヶ月予報
■経済指標
<日>5月の金融経済月報
<日>5月の中小企業景況調査
<中国>5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
<米>4月の耐久財受注
<米>週間の新規失業保険申請件数
<EU>5月のユーロ圏PMI速報値
<独>5月のIfo企業景況感指数
┏━▼世界経済の動き▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◎(ニューヨーク市場 23日)
■為替 ドル/円 79.47/49
ユーロ/円 99.99/02
■株 ダウ平均 12,496.15( -6.66 -0.05%)
ナスダック 2,850.12(11.04 +0.39%)
◎主な動き
.........................................................................
■ギリシャ離脱前提の展開に
.........................................................................
世界はギリシャがユーロ圏離脱を前提とした展開に変わり始めた。ユーロ各国、中央銀行など関係機関ががギリシャ離脱に備えて準備を始めているという報道が相次ぎ、EU首脳からも離脱容認の発言もあり、安易な救済を拒否するドイツのメルケル首相はギリシャ離脱問題ではコメントを出していない。オランド仏新大統領は繰り返しギリシャのユーロ圏残留にあらゆる措置をと発言しているが、EUはギリシャが残留することで繰り返される混乱と離脱した場合のリスクを比較し、最良のシナリオを描きだしたといえる。
日本時間の早朝にパパデモスギリシャ前首相がギリシャのユーロ圏離脱の準備が行われていると発言したことが伝えられ、市場はパニック的な動きに。EUそして世界は1年がかりでギリシャ救済を進めてきた。しかし、ギリシャは「選挙結果しだいで救済の見返りとして約束した財政再建は放棄する」、「ユーロ圏からの離脱もありうる」といった危機を逆手にとった恫喝とも思える対応。EU首脳会議直前に前首相の無責任な発言が飛び出し、堪忍袋の尾が切れたといったところだろう。
「レッドカード」と考える首脳がいても不思議ではない。ドイツはギリシャに対し厳しい姿勢を示すことで、欧州との約束を守る政府をギリシャに発足させる意図もあったようだが、関係筋の発言を総合すると、ギリシャの対応が改まらない限り、今後起きることの責任はギリシャがとるべきということだろう。
これからギリシャ離脱の影響は予想以上に軽微、残留されるリスクより離脱のリスクの方が小さいといった情報が流れ、ギリシャ離脱は既定路線になる。
・市場と向き合わない日本銀行
こうした危機のなかでも「日本橋城」にこもる日本銀行の白川総裁は予想通り、市場のパニックを収めるような対応はしなかった。「変化なし」とする日銀金融政策決定会合の結果を午前中に発表、株価の下落、円高に拍車をかけた。市場におもねろというわけではないが、あまりにも無神経、無責任な対応にみえる。グリーンスパン、バーナンキと米連邦準備制度理事会が市場との「対話」を重視したのに対し、日銀は孤高を守っている。いつまでたっても高橋是清の呪縛から逃れることができない日銀。インフレ懸念より長引くデフレからの脱却を真剣に考えて欲しい。
▼独連銀、ギリシャのユーロ離脱も想定。対応は可能
▼ユーロ暴落、対円では100円割れ
▼オランド仏首相、スペインと連携し危機対策でドイツに対案
▼スペイン、有力銀行のバンキアに90億ユーロを注入
▼米住宅市場の好調受け、ニューヨーク市場で株価下落に歯止め
▼ファイスブック株主がフェスブックと引受幹事を提訴
▼中国経済に下振れ圧力、温家宝首相が政策調整を指示