NTTドコモと大日本印刷の提携は電子書籍事業か著作権管理ビジネスか

 NTTドコモと大日本印刷が電子書籍事業で提携と日経が報道、話題を集めている。すでにKDDIは凸版印刷と提携している。携帯会社と印刷会社の提携の話で、出版社などのコンテンツホルダーとの提携ではない。印刷会社はコンテンツはつくっていないが、コンテンツを管理し、雑誌社などに大きな影響力を持つ。電子出版の普及で影響力が低下する前に、電子出版ビジネスの要である著作権管理で主導権を握ろうという戦略のようだが、うまくいくのだろうか。

 出版社には雑誌などの著作物の最終版が保存されている。印刷直前まで原稿には修正が入るため、最終版は出版社ではなく、印刷会社が管理する例が多い。出版物を電子化するにはこの最終版が必要になるが、印刷会社側も権利を主張し、出版社の自由にはならないことが多いようだ。こうした関係が希薄化する前に、携帯会社と印刷会社が結びつき、出版物の電子化から端末への流通ルートまでを握る。

 アップルのiTunesの自由なコンテンツ流通とは異質だ。電子出版ならコンテンツホルダーの自由な意思で携帯やiPadに配信すればよい。今回の事業はコンテンツの卸事業という形で著作権を管理し、印刷会社を頂点とする出版物の流通網を維持する日本的な戦略にみえる。ドコモがiモードの公式サイトの延長という形をとらずに、印刷会社と組んだことで、逆に、コンテンツプロバイダー、ユーザーはアップルに流れるように思うのだが。

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