2012年、「国家とは何か」が問われる年に

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 2012年を迎えました。ことしは「国家とは何か」が問われる年になるように思います。好きな映画に「アラビアのロレンス」があります。ロレンス率いるアラブ軍は英軍に先んじて、トルコが支配するダマスカスを占領します。しかし、近代文明を知らないアラブの民は発電所、水道、電話施設などを維持できず、アラブによる自治政府は2日も持たず、ロレンスはイギリスに帰国します。
 民主党政権はまさにアラブと同じでした。政権公約はなにひとつ実現できず、混乱だけが続きました。福島原発事故は事故後の対応を含めて民主党政権による人災だと思っています。ドイツのメルケル首相は「原発廃止を訴える人は代替策を示す責任がある」と論破し、原発廃止を前提としながらも原発を停止させることはしなかった。
 一方の日本は長期的なエネルギー政策を示すことなく、次々に原発を停止させてしまった。そのツケはすべて国民に回している。ことしの夏も節電に追われるでしょう。原発は国家事業として進めてきたにもかかわらず、事故のすべての責任を東電に押し付ける。エネルギー確保は「国家」の最大の責任である。一民間企業の問題ではないのです。
 国家として、国民から徴税することにだけは余念がない。消費税をあげたらなんとかなるのか。国の枠組みを変えなければ、消費税を30%にしたところで、官僚のムダづかいは続く。官僚組織の肥大化はいまに始まったことではない。国民が期待した新たな枠組みづくりは放棄し、増税にエネルギー不足。まともな経営者ならこの国で事業は成立しないと考え、海外に脱出します。
 インターネットは国家の枠組みを崩し続けています。以前のように先進国が富を支配することなどできません。日本でテレビをつくり続けたければ地下も給与も途上国並みに引き下げるしかありません。世界の枠組みの変化に民間企業はいち早く対応しているが、政治家、官僚は10年以上、遅れています。
 夜逃げ同然に環境影響評価書を提出した野田政権のやり方に正義はありません。消費税増税の必要性を認めたとしても、民主党の公約からみれば正義はありません。国民を裏切り続ける民主党政権下、国家とはなにかが厳しく問われるでしょう。
 逆に、債務危機に苦しむ欧州ではナショナリズムが台頭しそうです。経済統合から段階的に政治統合を進めてきたEUですが、債務危機で統合の動きが後退する可能性が高まっています。債務危機回避より自国の利益を守ると宣言したキャメロン英首相のようなピエロが登場し、統合に伴う痛みを回避するために、自国の利益を優先する議論が台頭するでしょう。
 しかし、どんなに厳しい状況でもEU統合の流れは続くと信じています。2000年以上続いた欧州での殺戮の歴史に終止符をうつにはどうすべきか。2度の世界大戦の惨禍を経て、独仏を中心にEU統合で合意しました。すでに統合に動き出して60年。ここで統合を断念するという選択ができる指導者は存在しません。今回の危機を克服すれば今まで以上に強固なつながりを実現することでしょう。
 インターネットがすべての国の国民を平等にするという圧力を強めています。この流れは変えることはできません。ネットによる平等な世界が広がり、既得権保護を重視する国家は存在意義を失う、2012年はそんな年になって欲しいものです。
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